あなたの町が小説の舞台に!?


『決壊』に続く新作書き下ろし長篇は、7月刊行となりました。
年末から、実に今日まで休日0日(!)で、毎日10時間以上、せっせと働いているのですが、結局800枚強の作品になってしまいまして、やむを得ず、5月の刊行予定を延期しました。
楽しみにしてくださっていた皆様、もう少しだけお待ちください。
実は既に書き終えているのですが、もう一段上の完成度を目指して、せっせと手直しをしているところです。
今週中にもゲラが出ますが、かなり手応えを感じています。
どうぞ、ご期待ください。因みに、舞台は未来です。


先週は、京都で「俄」というジュエリー・ブランドの本社ビルの新築記念で、安藤忠雄さんと公開対談をしてきました。
30分ほどの短い時間だったのですが、「高瀬川」のTIME'Sビルなど、個人的な思い入れも語りつつ、色々と勉強になった対談でした。
僕は、『ディアローグ』という本も出していますが、自分の身の程を知らされる、素晴らしい巨匠たちとの対談の機会に恵まれてきたなとつくづく思います。


新潮社から出ている、そのものズバリ『建築家 安藤忠雄』という本は、非常に面白いのですが、それを読んでいると、ある固有の風景を持った土地の、ある限られたスペースを与えられて、機能や用途を具体的に求められた上で、その条件と格闘しつつ、クリエイティヴィティを発揮する建築家の仕事に、改めて強く興味をそそられました。


そこで、本題なのですが、7月半ばから、読売新聞の夕刊で小説の連載を始めます。
まだ、思案中ですが、今回は、できるだけシンプルな設定で、恋愛について書いてみたいなと漠然と考えています。それで、建築家のように、自分と縁もゆかりもない土地をポンと与えられて、そこから立ち上がってくるものの力で、小説が書けないものかとちょっと考えていまして、我が町こそは!という場所がありましたら、どうぞ、ご紹介ください。住んでいなくても、旅行で行った、忘れられない土地などでも結構です。
美しい場所が良いですね。僕は、海が好きなので、海辺ならなお良し、といったところですが、こだわりません。
4月、5月の空き時間を見つけて、取材に行ってみます。
ひょっとすると、話題になるかもしれませんが、ならないかもしれません(笑)。
というか、本当に舞台にするかどうかは、まったく個人的な、感覚的な話ですので、せっかくご紹介いただいても、採用しない場合はもちろん、あります。そのうち、何かの小説に出てくるかもしれませんが、その辺は、ご了解ください。


因みに、重い、深刻な小説の多い僕ですが、今回は新聞小説ですし、明るいか、美しいか、いずれにせよ、ポジティヴな世界を考えていますので、どうぞ、ご心配なく(笑)。基本的には、いわゆる「恋愛小説」になる予定です。


ご関心を持たれた方は、どうぞ、こちらまでご連絡ください。


web@k-hirano.com