シルバーウィークって、前から言ってましたっけ?


皆さん、エンジョイされてますか?
職業柄、自分にはあんまり関係ないと思っていたのですが、関係大アリで、普段は月の後半に適当に散らばっている連載の〆切が全部前倒しになって先週に殺到して、けっこう大変でした。
おかげで新聞連載の原稿が進まなかったので、この数日、集中してやってます。


民主党の政策の中でも、高速道路の無料化はあまり支持されていませんけど、結局あれも、ヨーロッパでの例に倣った発想で、国家戦略室もイギリスの内閣を模したものですし、そういう意味では、日本は未だに「普請中」なのかなと、改めて感じました。
1,000円でさえこれだけ渋滞しているんだから、無料になったらエラいことだと言われますが、料金所のブースが取り払われて、あそこでの減速と一旦停止がなくなれば、渋滞緩和にちょっと効果がある気はしますけどね。


そういえば、グーグルが「インスタント出版機」向けに200万冊分の著作権切れの本のデータを提供するというニュースが出てました。ソースは、sanspo.comです(笑) http://www.sanspo.com/shakai/news/090918/sha0909182352018-n1.htm


『決壊』や『ドーン』を書いたあとで、『ウェブ人間論』を振りかえると、少なくとも僕の発言部分は、ネットの世界で当時起こっていたことに対する単純な無知に起因する箇所も結構あって、あの時点ではアレで精一杯だったという感じです。
他方、ネット空間を「公的領域」として考えるだとか、アイデンティティの側面からプログについて考えるだとかは、その後、ネットについて考えていく上で、間違った着眼ではなかったと思います。


あの本の中で、紙の本がなくなるかどうかという議論をして、僕の方が「無くなる」という立場だったことが、当時は意外なこととして受け止められました。この点に関しては、僕は今でも、基本的には考えが変わっていません。出版業界のビジネスの問題をより深く知るようになって、余計にそう思うようになりました。もちろん、かなり長期的に見てということで、本も本屋さんも好きですから、そうなってもらっては困るんですが、新刊本はともかく、版権切れのものについてはスピードが早いんじゃないでしょうか。


最近、WIRED VISIONで紹介されていた、開発中のこの読書端末なんて、http://wiredvision.jp/news/200909/2009090920.html 結構、良さそうで、僕は、ケータイやDSといった既存の端末にガジェットとして読書機能が付加されていく一方で、意外と早く、本はデータのやりとりへと移行していくんじゃないかという気がしています。よく紙だと線が引けるとか、端を折れるとかいいますけど、そういう紙の本ならではの利点を、全部電子端末に盛り込めば、考えが変わる人は多いんじゃないでしょうか。
結局、『ウェブ人間論』でもそういう話でしたが、性能の良い端末の普及次第です。
あとは、著作権の問題ですね。

実はあの本の中で、僕はこんな事を言ってました。


「例えばですけど、紙で読むことにあえてこだわるなら、簡易製本機のようなものが普及するとか、プリンターがダウンロードした小説を、本らしく綴じられるように両面印刷してくれるといった機能を備えるようになるとかすれば、出版社から直にデータだけ買って必要な箇所だけ自分で製本して読むという時代もくるのではないか」


日本の現状はともかく、Kindleなんかが、どんどん性能が良くなっていくのを見ていて、正直、僕はこの予測はハズれたなとずっと思ってました(笑)。データで取り寄せた本を、わざわざ紙にプリントアウトするというようなレトロフューチャー的な時代はスルーされるんだろうと。
しかし、今回の報道を見ていて、よく分からなくなってきました。そういう迂路を辿る時期がしばらくはあるのかどうか。
例えばですけど、書店と出版社とのやりとりがデータになって、書店の方で必要分だけ印刷・製本するとか。。。


グーグルの本についての発想には、常に「図書館」がありますが、アメリカ社会での図書館の存在の大きさは、日本とまたちょっと違う感覚だと思います。
そこそこの作家なら、全米の図書館収蔵分だけで、5000部くらいは売れると聞いたことがあります。日本ではまずあり得ないことです。