と、いうわけで、最新作『あなたが、いなかった、あなた』、本日発売!!

本日1月30日、ようやく刊行の運びとなりました。
関係者の皆様には、改めてお礼を申し上げます。ありがとうございました。

装幀は、ギリギリの進行だったので、なかなかお見せできなかったのですが、こんな感じです。
ルネ・マグリット→ストーム・トーガソン的な世界をもうちょっと今風に、雰囲気系にアレンジした、というテイストで、作品執筆中に特にこの絵を意識していたわけではなかったのですが、結果的に、タイトルとも呼応していて、よかったなと思っています。

元々のアイディアは、何年か前に写真家の村越元さんが撮ってくださったスナップの中の一枚で、僕はこれがずっと気になっていて、何とかもう一度トライしてみたいと、今回、新潮社装幀室と村越さんとに協力していただきました。特に、デジカメではなくてフィルムで撮られる村越さんには、差し迫ったスケジュールの中で、一発勝負的にお願いしたんですけど、バッチリうまく出来上がって、本当に感謝しています。

僕は、ここ数年刊行してきた短篇集を、いつも、音楽のアルバムみたいなイメージで捉えていました。冒頭、どういう作品を置いて、次にどう展開して、というのを、最初にアップテンポの曲を持ってきて、次にバラードで、みたいな感じで構成していたと思います。今回新たに書き足した「鏡」という1行の作品も、一種のインタールードですね。もちろん、独立した作品で、要は「鏡像」についての話なのですが。
そんなこんなで、装幀も、いかにも小説という感じよりも、アルバムのジャケットみたいな感じにしたいと思ってました。

新書等で僕の作品に興味を持ってくださった方は、是非一度、手に取ってみてください。
何でこんな書き方をするのか、というより、ああ、小説って、こんなふうに書いたっていいんだ、だったら、こうやってもいいんじゃない? と、その可能性をそれぞれに楽しみながら読んでもらえるとうれしいです。