フランスに行ってきました〜パリ編

あんまりタイミングを逸してもなんなので、がんばって、パリ編も更新です。
サン・ナゼールのあと、パリに二泊したんですけど、丁度、鉄道ストの真っ最中で、とにかく、移動に苦労しました。
大体、サン・ナゼールまでも、最初は電車で行くはずだっんですけど、そんなこんなでナントまで飛行機で行き、そこから車という旅程に変更になり、帰りはその逆でした。
一週間もストが続くというのは、日本では考えられませんけど、ただ、サルコジが嫌いなパリの人たちでさえ、結構ウンザリしていて、なかなか、こういう方法で支持を集めるのは、フランスでさえ、難しくなってきているのかなという感じでした。

宿は、デザインホテル・ドット・コム http://www.designhotels.com/ というサイトで、最初、モンマルトルにちょっと面白そうなところを見つけたのですが、ストで電車が動かない中、夜、歩いてモンマルトルまで帰るのはあまりに辛すぎるので、次に良さげだったArtusというマビヨン駅近くの中心地のホテルにしました。
それがこれ↓

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写真には撮らなかったのですが、地下のレストランに行く階段の壁に、ドラクロワの『アルジェの女たち』がドドーンと貼られていて、なかなか、僕的にはツボだったんですが、部屋はご覧の通り、まぁ、大したことないです。
これなら、同じくらいの価格でも、サン・ジェルマン・デ・プレのBel amiの方がオススメかな。
従業員はさすがに親切でしたけど。


結構、早い時間にホテルに着いてしまったので、晩の友人との食事の約束まで、今回のお目当ての一つだった、ケ・ブランリ美術館に行くことにしました。……が、ここから僕の長い長いパリ散策が始まります。

久しぶりのパリなので、その辺を適当に歩いて、疲れたらタクシーにでも乗ろうと思っていたのですが、甘かったです。
どこのステーションにも、タクシーなんて一台も停まってません。
考えてみると、パリに住んでた頃は、ストだというと、特にどこにも行かずに、家の近所をプラプラしてただけでした。
流しも全部、人が乗ってるか、予約車で、ひたすら川岸を歩いて歩いて歩き続けて、とうとう、エッフェル塔の足元の美術館まで着いてしまいました。ちなみに、気温0℃(涙←凍る)

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美術館は、実はジャン・ヌーヴェルの建物の方に関心がありました。
写真で見て、これは!と思っていたのですが、実物も良かったです。
ただ、このカラフルなブロックみたいなヤツは、もうちょっときれいに出来なかったのかな、という気がしましたが。写真では分かりにくいと思いますが、右から3番目の肌色のの角の継ぎ目とか、けっこう気になるんですけどね。

が、この美術館、実際には中の展示が本当に良かったです。
この数年観た色々な美術館でも、インパクトは間違いなく最上級でした。
ヨーロッパ以外の地域から集めた美術作品(というカテゴライズになるのでしょうが)の展示なのですが、ライティングもかっこよかったし、なんというか、これを見ると、20世紀前半のヨーロッパの彫刻は、本当に必要だったのか、と考えてしまいます。まぁ、それを、ヨーロッパの美術史の中で自分たちなりにこなす過程に意味があったんでしょうが。


さて、ここまで必死で歩いてきて、おまけに美術館を二時間もかけて回ってしまった僕は、この時点で、かなりヘトヘトでした。
既に日も暮れています。重たい図版も買ってしまいました。
タクシー・ステーションには、相変わらず、車の気配もなく、仕方がないので、カフェで呼んでもらおうと、店に入って、一応、一杯コーヒーを注文し、ボーイにタクシーを呼んでください、と頼んだのですが、
「今日は、もう、朝からみんな、僕にタクシー呼んで、呼んでって、頼むんだよ! 一応、言ってみるけど、難しいと思うよ。」
とかなんとか言いながら、奥の電話係に確認しに行きました。
で、戻ってくると、
「やっぱ、ダメみたい。」
とのこと。……エッ?
僕は、来る途中で予約車を間違えて停めようとしたんですが、その時に、「ここにかければ、5分で来るから!」とタクシー会社のカードをもらっていたので、
「悪いけど、この番号でもう一回、トライしてくれない?」
とお願いしました。

僕はパリでプリペイド携帯を持ってたんですが、さすがに二年も行かない間に登録が抹消されていて、今回の旅では携帯なしでした。
ボーイは、
「えー、……いや、まぁ、言ってみるけど、僕が係じゃないから、とにかく、分かんない。……」
とか言って、また奥に引っ込みした。
すると、突然、一日中、タクシー会社に電話をさせられて、しかも全然つながらず、半分壊れかけたみたいな係の男が飛び出してきて、
「さっきから、まさにこの番号に電話してるんだけど、もう20分も全然通じないんだよ! 誰も出ない! 分かる?」
とほとんど臨戦態勢です。
「あっちの客から言われて、かけ続けてて、今度はこれからこっちの客の○'#&%$"&&'$×△……(←興奮のあまり、早口で聞き取れず)」
予想外のことで、どうしようかとポカンとしてると、
「俺の言ってること、分かってんのか? いいか? 見てろよ!」
とおもむろに携帯を取りだして、両手の親指で、「ほ〜ら〜、ほ〜ら〜、」とそのタクシー会社の電話番号を押し、片手を腰にあてがって胸を張り、目をクルクルさせながら携帯を耳に当て、応答しないのを確認すると、
「ホーラッ! さっきから、もう、20分もこの状態なんだよ!」
と、僕に迫ります。
まぁ、そりゃ、よく分かりましたけど、そこまでせんでも分かるわい、と思って憮然としていると、
「大体、どこまで行くわけ? 遠いのか?」
と訊いてきます。
証券取引所の近くだけど。」
と答えると、
「は? 証券取引所!? 2区のか?」
と目を見開き、
「そう。」
と頷くと、
「そんなもん近い近い! 歩けばええやろ!」
とか、せせら笑います。
この辺から、段々僕も腹が立ってきてて、
「寒いだろ。」
とブスッとして言うと、
「寒い!? そんなもん、早足で歩けば、すぐ温もるわ! ストなんやし、しゃあないやろ。みんな歩いてるで、そんくらい!」
と、なぜか関西弁で訳してしまいましたが、まぁ、そんなようなことをのたまいます。
そうなると、もう、どうしようもありません。
「あ、そう。分かったよ。」
「悪いね。」
これで、寒空の下、また僕の長い旅路の始まりです。


目指すは、オペラ座と日本料理屋がズラッと並んでるサンタンヌ通りとの間辺りです。
……遠いだろ、十分! と、憮然としつつ、セーヌ川を渡ったのですが、川沿いがまた強烈に寒いので、とりあえず北上してたら、シャンゼリゼ通りに出てしまいました。
それから、カップル達が身を寄せ合う中、約束の時間にかなり遅刻しながら、独りで黙々と歩いてると、テュイルリーの観覧車が、妙にキラキラ輝いて見えてきて、なんとなく腹が立って撮った一枚がこれ↓

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それから、更にムカムカしながら歩いていると、オランピアに煌々と点るDEEP PURPLEの文字。
なぜとは説明できないけれど、ものすごーく脱力。
今、キーボード、ドン・エイリーなんだよな、とか、どうでも良いことを考えながら、勢いで一枚。


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この後、写真を撮る元気もなくしてしまったので、感動の到着まではご紹介できないんですが(っていうか、誰も関心ないと思いますが)、最悪なことに途中から雨が降り出してきて、ホントに、心底、ウンザリでした。。。



翌日は、昔住んでた、ホテルからもすぐ近くにあるrue des quatre ventsのアパルトマンを見に行きました。


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懐かしい。。。
18世紀の建物らしく、外観はかなりオンボロですが、中はもちろん、リノヴェイトされています。
僕の部屋は、日本の三階に当たる部分でした。

で、その通りで見つけたのが、これ↓


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パリでは今、自転車ブームらしく、これも今年から始まったんだそうです。
なかなか、便利なシステムで、街の至るところにこの自転車スタンドがあって、登録すればいつでも借りられて、乗っていった先のスタンドに返せば良いみたいです。というわけで、こればっかりに乗って、自転車を自分では持ってない人もけっこういるみたいです。


エコつながりというわけではないですが、前回言及したシャンピオンにも行ったので、こんなものを買ってみました。

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買い物袋です。他にもオレンジとか、派手な色のが何種類かあったのですが、青を選びました。
買うと、レジでおばちゃんが底にサインをしてくれます。
オシャレなような気がして買ってはみたものの、帰国して丸正で見かけたエコバッグの方が、はるかにものが良くて、ガッカリ。。。

と、言ったところで、写真の最後はこれです。


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シャンピオンに売ってるポアラーヌのブドウパンです。僕はこれと、Caprice des dieuxというチーズを一緒に食べる組み合わせが好きで好きで仕方がなくて、ほとんど毎日、食べてました。
パリに行かれる機会のある方は、トライしてみてください。

この日はその後、また、サンタンヌ通りの知人のところまで雨の中歩いて行き、来々軒というラーメン屋で昼食。
日本食ブームとかで、店内は、フランス人だらけでビックリしたんですけど、それから今度は、カナル・サン・マルタンの知人の家まで歩き。
その後、午後になってようやく少しメトロが動き始めたので、またしても人と会う約束だったオデオンまでは歩かずにすんだのですが、夕食は、シャトレの近くにあるちょっとカッコいいモロッコ料理の店まで、これまた歩き。帰りも歩き。……というわけで、どんだけ、歩いとんねん!と独りで空しくツッコミを入れつつ二日目終了。

翌日の空港までのタクシーの予約が危ないと言われていたので、受付にしつこいくらい何度も確認して手配してもらったのですが、お陰でつつがなくシャルル・ドゴールまで到着しました。
心配していた渋滞もなく、早く着きすぎて、かなり退屈だったのですが。


……というわけで、なんか、費やした労力の割に、どうでも良いような内容のエントリーですが、最後まで読んでくださって、どうもありがとうございます。
旅行記は、しばらくやらないことにします。
あー、疲れた。。。