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スタローンは憎めない。

『ロッキー』シリーズの完結編が公開されるということで、この三日間、深夜に第一作目から順にテレビで放送されていて、僕も仕事の合間にチラチラ見てたんですが、なんというか、イチイチ笑えるというか、スタローンという人は、憎めないなぁという気持ちになりました。

もともと、第一作目は、僕はけっこう好きなんです。なんか、冴えないボクサーが、ヤクザの使いっ走りをしてたり、精肉工場で働いたりしてるあたりの雰囲気がよく描けてて。あと、曲も名曲なんじゃないですかね。
以前に、『太陽を盗んだ男』の長谷川和彦監督が、公開当時にスタローンにインタヴューをした記事をネットで読んで( http://www3.ocn.ne.jp/~goji/009.html )、「なんだ、当時の人はやっぱり、けっこうマジに感動してたんじゃん!」と思ってたんですが、「映画」としてのデキはともかく、「ボクシング映画」としては、『ミリオンダラー・ベイビー』よりも、全然リアリティがあると、格闘技関係者はよく言ってました。スーパータイガーとか、菊田早苗とか、ロッキー関連の曲で入場する人もけっこういましたしね。

スタローンは多分、アリVSチャック・ウェップナー戦を見て、死ぬほど感動したんだと思うんですけど、そこがそもそも面白いですよね。彼はまぁ、大根役者なんでしょうけど、『ロッキー』を見てる限り、あんまりそんな感じがしません。ロッキーというか、モデルになったチェック・ウェップナー自身が人生の大根役者みたいなキャラなので、妙にピッタリしてるというか。因みに、プロレス好きの人は、ウェップナーのことを「猪木と戦った男」として記憶してるでしょう。

Youtubeにこんな動画がありました。
アポロのモデルになったアリが、「俺がアポロだ!」と登場しているんですが、

当時は誰が見ても、アポロはアリだと分かったわけで、みんな、ろくに練習もせずに、噛ませ犬として防衛戦の相手に選んだウェップナーが、驚異のガンバリで最終ラウンドまで粘ったあの試合の裏には、こんな感動秘話があったのか!? みたいな感じで見てたんじゃないでしょうか。そういう意味では、感動の実話の映画化、というののはしりかもしれません。かなりフィクショナルだとは思いますし、売れない俳優だったスタローン自身の「私小説」ならぬ「私映画」的な側面はあると思いますが。

『ロッキー』は、『2』、『3』と回を重ねるごとに自己パロディへと陥ってしまいますけど、それが見てて、妙に面白かったです。毎回、どん底まで落ち込んだあと、例のテーマ曲が流れ始めると突然練習に熱が入って、試合になると、顔はボコボコでフラフラ、でもがんばる、みたいな、コントですか?(笑)というような展開ですけど、途中で見るのを止められないから不思議です。この恐ろしいほどの単純さには、ヘンな清々しさがありますね。

見ていて改めて思ったんですけど、スポーツモノは、試合場面のリアリティを出すのが難しいですね。これは、『ミリオンダラー・ベイビー』も同じでしたけど。『ロッキー』も、あれがホントの試合だったら、2ラウンドあたりで止められてるでしょう。『2』の最後なんて、一応立ってますけど、よれよれだし、あれじゃあ立ったことにはならないでしょうし。
今は格闘技ファンも目が肥えてきてますから、自分がレフェリーだったら、どのタイミングで止めるかを考えながら見ても面白そうですね。