『ウェブ人間論』、ついに刊行!!

すでに献本して読んでいただいた方の感想がウェブ上に出始めていますが、店頭にも今日辺りから並ぶはずですので、ご興味のある方は、是非、チェックしてみてください! 

読み物としてエンジョイしてもらえれば、もちろん何よりですが、対談ですからページごとに論点もはっきりしてますし、具体的に、あそのあの部分は共感した、いや、あれはむしろこうなんじゃないかと、ウェブと現代人とを巡る議論の叩き台のようになればいいなと期待しています。見落としている論点も多々あるでしょうし、ネット上でそれが補足されれば、こんなに有意義なことはありません。

僕は、以前にどこかで、「カフカ文学」というのは、カフカ本人が書いたテキストのみならず、その後膨大な数が書かれて、相互に引用され、またリンクが張り巡らされている研究書やパロディ作品等(僕の『最後の変身』もそうですが)のすべてを含めた現象を指すべきだということを書きましたが、それがリアルタイムに、一部の研究者だけではなく、すべての読者にまで開放されたというのが、web2.0以降、ということなんでしょう。
今後は、本を刊行するというのは、もちろん、一人一人の読者の心の一番深いところにまで作品を届ける、ということも大切なわけですが、同時に、それを巡ってなされる不特定多数の言語活動の「起点を作る」という意味合いも、ますます強くなっていくと思います。

なにはともあれ、僕の家にも完成した本が新潮社から送られてきましたが、この時ばっかりは、「本」に対するフェティッシュな愛情を新たにしますね。まぁ、自著はともかく、好きな作家の本は、モノの形で所有したいというのは、やっぱりある気がします。見ると、それを読んでいたときの自分を思い出したりしますからね。

http://www.shinchosha.co.jp/wadainohon/610193/index.html