『本の読み方 スロー・リーディングの実践』好評発売中!

 8月に刊行したPHP新書の『本の読み方 スロー・リーディングの実践』ですが、発売後一ヶ月半で四刷と、よく売れています。今まで僕の本を手に取ったことがなかった人も、「これまでの読書の仕方を考え直すきっかけになった」と、うれしい感想を寄せてくれています。

 小説を書くときには、読者に伝えたいという思いと、日本語の可能性・小説という表現方法の可能性を追求したい、人間の複雑さを何とか言葉にしたい、という思いとの間で、いつもジレンマがあります。後者に傾き過ぎると、作品が難解になりがちですし、逆に前者に傾きすぎると、自分にとっても読者にとっても、一種の停滞感があるでしょう。そのバランスの見極めが難しいです。
 その点、新書というスタイルは、とにかく、読者に分かりやすく伝える、ということを第一に執筆できますから、今回の企画のような内容にとっては最適ですね。

 「趣味は読書」という人だけではなくて、読書嫌いの人にも、是非読んでもらいたいです。