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『音楽と文学の対位法』(青柳いづみこ著)

 青柳いづみこさんとは面識はないのですが、最新の御著書を送っていただきました。
 第三章「ショパンとハイネ」で、『葬送』について丁寧な言及をしてくださっていて、うれしかったです。その他、「ランボーの手、ドビュッシーの手」など、興味深い話が満載でした。
 
 本を出すと、作者は色々な形でその「手応え」を感じるもので、売れ行きももちろんそうですが、誰がどんなふうに読んでくれたかということもそれに劣らず大きいんですね。それは、書評でも、読者からの手紙でも、人伝に聞いた話でも同じだと思います。
 『葬送』の場合、ピアニストをはじめ、音楽関係者があの作品をあたたかく受け入れてくれたことが、僕にとっては非常に大きな喜びでした。ショパンの話を書いて、ショパン弾きに笑われたのでは、さすがにがっくり落ち込んでしまいますから。
 あと、こんなふうに、刊行から少し時間が経ってからの反応というのも、また、刊行直後とは別のうれしさがあります。
 そういえば、この本を読みながらふと思い出したのですが、2010年は、ショパン生誕200年ですね。モーツァルトほどの盛り上がりにはならないでしょうけど、それをきっかけに、また『葬送』を手に取る人が出てくればいいなと作者としては淡い期待を抱いてしまいました。